つづ井さん、という方を皆さんご存じでしょうか?
元々は、日々のオタクな出来事を絵日記にしてTwitterで発信していたそうです。
そのユーモア溢れる絵日記が注目を集めてコミックエッセイ化されましたが、
今では複数シリーズ出版され、累計50万部突破するほどの人気作品になっています。
ただ、私がつづ井さんを知ったのはごく最近でした!
雑誌『steady.』でフリーアナウンサーの宇垣美里さんが『裸一貫!つづ井さん』を紹介していたのを見たのがきっかけです。
なんてことないサラッとした紹介だったのですが、なぜか無性に気になりました。
気になりすぎてとうとう先日『まるごと腐女子のつづ井さん』を購入しました!
かなりのページ数で最近あまり本を読んでない私でも読み終わることができるか心配でしたが、杞憂でした(笑)
1時間ほどで読み終えて大満足でしたので、レビューをしていきたいと思います!
つづ井さんとは
つづ井さんについて
まず大前提として、つづ井さんは「オタク」であり「腐女子」です。
最近「夢女子」の才能も開花してきたそうです。
腐女子や夢女子に抵抗のある方は、作中でよくこれらの話題に触れるので読まない方がいいかもしれません。
つづ井さんシリーズ
2020年6月時点では以下のシリーズが発売されています。
- 腐女子のつづ井さん(無印・2巻・3)
- 裸一貫! つづ井さん(1巻・2巻)
- まるごと腐女子のつづ井さん
『腐女子のつづ井さん』シリーズはタイトルの通り、つづ井さんの周りで起こるオタクな出来事をつづった絵日記です。
一見普通ですがただの絵日記と侮るなかれ、持ち前の想像力(妄想力?)と行動力を発揮して、突拍子もないことをするつづ井さんたちの姿はギャグマンガみたいに笑えるおもしろさがあります。
こちらのサイトで試し読みができます。
https://www.comic-essay.com/episode/3/
『まるごと腐女子のつづ井さん』読んでみた感想
本を開くと、まず何とも言えない脱力感のあるイラストが目に飛び込んできます。
つづ井さんの描く絵日記は全体観として「シュールな面白さ」が挙がると思うのですが、そのシュールさを引き出している要素の一つがこのイラストの作風だと思います。
この脱力感のあるイラストのおかげかすごくリラックスして読むことができました(笑)
私が気に入っているのが要所要所ででる絶妙な言い回しのワードです。
つづ井さんのユーモアセンスの高さゆえか、フフッと笑える言葉選びになっているのに感心します。
ところどころで出る方言も可愛いです💕
と、前置きはここまでにして、ここからはお話の内容のレビューになるのでネタバレ注意です!
『まるごと腐女子のつづ井さん』オススメポイント
つづ井さんと個性豊かな友達の掛け合い
つづ井さんを語る上で外せないのが、つづ井さんの”個性豊かな仲間たち”です。
- 押しへの思いを古文にしたためるタイプのオタクのオカザキさん
- 初対面のオタクたちに「前世から友達だと思ってるから」と発言するタイプのオタクのMちゃん
をはじめとした、つづ井さんと濃いキャラばかりのお友達が登場します。
一人ひとりが十分”濃い”のですが、みんなで集まればそれはもうカオスです。
クリスマスに一緒に過ごす人がいない友達を集めて「恋人がいそうな選手権」を開催したり、
彼氏がいない友達を集めて「彼氏おりそうなツイッターアカウント選手権」を開催するなどしています。
謎のこの選手権自体もおもしろいのですが、そこで繰り広げられるオタクたちの掛け合いがまたユニークで面白いのです。
オタクなら共感できる「あるある」話
部活系アニメにハマれば、押しのマネージャー気分を味わおうと、高校生がスクールバックに付けているようなお守りマスコットを制作します。
はたまたマイナーな舞台俳優にハマれば、押しのその俳優の情報の少なさやファンの少なさに嘆いたりも…。
誰もが「わかるわ~」と一度は考えそうなことを、おもしろおかしく描かれています。
普通のエッセイならここで終わるのですが、つづ井さんはここで終わらりません。
お守りマスコット用のフェルトを探しに行くのですが、なかなかしっくりくる色が無ければ、3軒も手芸屋さんをハシゴして見つけ出しますし、縫い目がいびつだと思えば、本当に押しに渡す時のことを想像してイチから縫い直します。
マイナー俳優のファンが少なければ、自分の中に『演劇好き40代男性』の別の人格を作ってTwitterにその設定で舞台の感想をつぶやくアカウントを作成します。
あるある話をしたうえで、つづ井さんたちの持ち前の想像力と行動力で突拍子もないことをするのがこの作品ならではの作風ではないかと思います🤔
こんな感じで、ただのお遊びでも全力で楽しむのがつづ井さんたちです。
オタク活動に妥協はしないという強い信念が感じられ、おもしろいと同時にある意味尊敬すらできるようなエピソードばかりです(笑)
その発想はなかったオタク的ライフハック
何をやってもうまくいかずに疲れた夜、つづ井さん宅に急に宅配便が届くサプライズがあります。何かと思えば以前、欲しいものを購入し残業で忙しくなりそうな日に届くように頼んだ商品ものだったようです。
しんどい日指定で欲しいものを買っておく作戦には「なるほどなあ」と感心したので、私も実践しようと思っています(笑)
他にもお賽銭箱を模した貯金箱を買って、「ライブや舞台参戦後に感情が高ぶって抑えきれない時、この感情をお金に乗せて未来の自分に送る」貯金をするエピソードにも共感しました。お賽銭箱を開けたとき、ライブや舞台の楽しさを思い出せるようにという思いからだそうですが、お金もたまるし思い出の風化を防げるので、一石二鳥だなと思いました!
基本的には役に立つかわからないライフハックばかりですが、つづ井さんの斬新なアイデアからくるライフハックは読んでいるだけでもおもしろいです!
最後に
『まるごと腐女子のつづ井さん』は全483ページ(あとがき等含めると544ページ)とかなりボリュームがありますが、あっという間に読み終わりました。
「アラサー」「恋人なし」と作者のつづ井さんはタグ付けされることも多いそうですが、そんなの気にする暇もないくらい毎日を全力で楽しんでいるように見受けられました。
「少数精鋭の友達」とつづ井さんは表現しているシーンがあるのですが、私にとっては数こそ少なくともこんなにノリ良く明るくフットワークの軽い、一緒にいて心底楽しめるお友達がいることはとても貴重なことだと思います。読んだ後は、「おもしろかった」と同時に「私もつづ井さんたちと友達になりたい!」が素直な感想でした(笑)
記事を書くために色々俯瞰しながら改めて作品を読むと、オタク活動にも何事にも全力で取り組む姿が多い印象を受けました。「全力で取り組む」ってなに小学生で教わるようなことをwwみたいに思いますが、なんだか今でも十分大事にしなければいけないようなコトだと思いました!
…と、なんだか深い(?)ようなことを言ってしまいましたが、全然リラックスしてあっという間に読める本ですので、時間がある方はぜひ読んでみてはいかがでしょうか?
以上、『まるごと腐女子のつづ井さん』のデビューでした😊